歯医者さんのやっていることのほとんどは、感染して腐ってしまった歯を取り除き、
残った健全な歯を利用して、再建していくことです。ですから、健康な部分がほとんどなかったり、感染を取り除けないような状態になってしまうと歯医者さんもお手上げです。 もし治療ができたとしても、すぐに駄目になってしまう可能性大です。 |
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被せたり、削ってしまった歯は、もとの完全な歯に比べると弱くなってしまっています。 再治療も5回が限度だといわれています。 |
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抜歯の後も、その歯の隣の歯を削ってブリッジ→ブリッジの力の負担がかかる方の歯が駄目になり抜歯→残っている歯に金具をひっかけて部分入れ歯→部分入れ歯がかかっている歯がグラグラしてきて抜歯→入れ歯を支えている歯からどんどん抜けていき最後は総入れ歯ということになってしまいます。 |
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歯をささえる骨も一部の条件の良い場合を除き、骨の高さを再生することはできません。
歯を支えている骨が根の3分の1以下になってしまうと、感染を除去しても、長い間の噛む力には耐えられなくなってしまいます。 |
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日本人は世界に比べ、神経のない歯が多いそうです。 神経のない歯は、神経のある歯に比べて歯の破折、再感染による抜歯の可能性がかなり高くなります。 |
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削って詰める治療の繰り返しでは、やはり限界があるのです。 |
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なるべく治療をしていない健全な歯を、予防していき、再治療の悪い流れを断ち切って行くことが大切なのです。 |
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1. 虫歯 |
虫歯が大きく、神経まで虫歯菌が進入し、強い自発痛がでているようですと、
神経を取らなくてはならない場合が多いようです。
ただ現在は、抗菌剤により神経を保存できるケースが増えてきています。 |
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2. 神経のない歯(細菌感染) |
根の先に細菌が侵入してしまっている場合、2回目以降の治癒率は7割弱です。
病巣のある場合は、先ずは歯の内部から治療し、それでも駄目なら歯根端切除術という手術で治します。従来型の手術では成功率65%程度でしたが、マイクロスコープ下で手術をすることにより95%まで成功率を向上させることができました。
それでも100%ではないので、1回目の治療や病巣が小さいうちにしっかり治療することが大切です。 |
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3. 神経のない歯(耐久性) |
神経のない歯は枯れ木のような状態になってしまい、神経のある歯と比べて、耐久性がなくなってしまっています。
時間が経つと縦にヒビが入ってしまうこともあり、割れてしまったら抜くしかありません。
歯が割れにくい土台を建てることと、なるべく神経を取らないようにすることが大切です。 |
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4. 神経のない歯(挿し歯) |
神経のない歯に土台を入れて、歯を被せることを挿し歯といいます。
ただこの
挿し歯もどんな状態でも治療できるわけではなく、治療に限界があります。
理想的には、歯の壁が根っこの3分の2以上あり、骨より3mm以上上に健全な歯の部分があることが重要です。歯茎より下まで虫歯があったり、骨より上に2mm程度しか歯がない場合には、治療の長期的な予後は見込めないため、本来は外科手術や矯正による引っ張り出しが必要です。
骨の保存や、周囲の歯への影響を考えると抜いてしまう場合もあります。 |
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5. 歯周病の歯(骨の量) |
歯の周りの骨がなくなってしまう病気です。
本来根の3分の2以上を骨が覆っ
ているのですが、根を覆っている骨が3分の1以下になってくると、歯の保存は難しくなってきます。
炎症は治っても、噛む力に耐えられなくなってしまうからです。骨の保存や、周囲の歯への影響を考えると抜いてしまう場合もあります。 |
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6. 歯周病の歯(根の股の間の骨の吸収) |
奥歯の歯の根っこは2~3本に分かれています。
そこのところまで骨の吸収が
あると歯の保存が難しくなってしまいます。ある程度までの吸収なら再生療法などで治るのですが、向こう側まで抜けるような吸収がある場合には、長期的に歯を残せる方法は現在のところないようです。
歯を2つに割ったり、半分だけ抜く方法も、よっぽど条件が良くないと長期的な予後は見込めないようです。 |
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7. 歯の動揺 |
歯が揺れているパターンは、前後、左右、上下の3パターンあります。
歯に力が加わりすぎて一時的に動いている場合には、力をコントロールしてあげれば良いのですが、上下に動く場合などは歯の周りの靭帯が崩壊している場合が多く、抜歯の対象となります。 |
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8. 歯並び |
歯並びが悪く、衛生管理をしずらい場合には抜歯の対象となる場合もあります。
歯は多ければ多いほど良いわけではなく、きちんと管理できないような状況の歯は、結果的に周りを巻き込んで虫歯や歯周病になってしまう場合が多いため、抜いてしまう場合があります。
1本の歯はもちろん大切ですが、お口の中全体の機能を守るほうが大切なのは言うまでもありません。 |
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